毎週の定期配送、社員が対応しているものの本業に支障が出始めている。配送業者から見積もりをもらったが、定期便やスポット便といった専門用語が多く、どちらを選べばよいのか判断できない。
こうした状況に置かれている物流担当者の方は少なくありません。配送サービスは大きく定期便とスポット便に分かれますが、両者の違いを理解し、自社に適したサービスを選ぶことで、年間100万円規模のコスト削減も可能になります。
この記事では、定期便とスポット便の基本的な違いを3つの軸で整理し、2つの質問とチェックリストで自社に適したサービスを判断できる方法をご紹介します。5分で基本を理解し、配送体制の見直しに向けた第一歩を踏み出せる内容です。
3つの軸で理解する定期便とスポット便の違い
定期便とスポット便という言葉は聞いたことがあっても、実際にどう違うのか分からない方も多いのではないでしょうか。契約、料金、使い方という3つのシンプルな切り口で両者の違いを整理します。専門用語は最小限に抑え、自社の配送パターンがどちらに当てはまるか判断できる内容をお届けします。
定期便とスポット便の違いを一目で理解できるよう、以下の比較図をご覧ください。
| 定期便 | 比較項目 | スポット便 |
|---|---|---|
| 月単位・年単位の 継続契約 |
契約の仕方 | 1回ごとの 都度契約 |
| 毎週・毎月など 固定スケジュール |
配送頻度 | 必要な時に その都度依頼 |
| 月額固定・回数制で 単価を抑えられる |
料金の決まり方 | 従量課金 1回あたりは割高傾向 |
| 頻度が高く 予定が立てやすい配送 |
向いている使い方 | 展示会搬入など 不定期な配送 |
契約の仕方と配送頻度の違い
定期便は毎週火曜日や毎月第一金曜日など、あらかじめ決めたスケジュールで配送する契約形態です。スーパーへの定期的な買い物のように、曜日や時間を固定して継続的に利用します。
一方でスポット便は、必要な時にその都度依頼する単発の配送を指します。展示会への搬入や突発的な納品など、年に数回しか発生しない配送に適しています。コンビニに必要な時だけ立ち寄る感覚に近いでしょう。
契約期間も異なり、定期便は月単位や年単位での継続契約が基本です。スポット便は1回ごとの都度契約のため、長期的な関係性は前提としていません。
料金の決まり方と単価の違い
定期便は月額固定や回数制で契約するため、1回あたりの単価を抑えられます。携帯電話の定額プランと同じように、継続利用を前提とすることで割安な料金設定が可能です。
スポット便は使った分だけ支払う従量課金で、1回ごとの料金は定期便と比較すると割高になる傾向があります。ただし、月に1回以下の利用頻度であれば、都度払いの方が総額を抑えられるケースもあるでしょう。
料金の決まり方以外にも、定期便では配送ルートの最適化により効率が上がり、結果としてコスト削減につながります。一方でスポット便は柔軟性を優先するため、効率化の余地は限られます。
次の図解で、料金体系の違いと年間コストの比較例をご確認ください。
それぞれに向いている使い方
定期便は毎週の取引先への納品など、頻度が高く予定が立てやすい配送に向いています。配送先や配送日が比較的固定されている企業であれば、継続契約により品質が安定しやすくなるでしょう。
スポット便は展示会への搬入や季節商品の単発配送など、年に数回しか発生しない不定期な配送に適しています。配送先が毎回変わる場合や、荷物の量が大きく変動する場合も、柔軟に対応できる点が強みです。
自社の配送パターンを見直す際は、月2回以上を目安に定期的な配送があるか、配送先が比較的固定されているかという2つの質問に答えてみてください。一般的に両方に当てはまるなら定期便、どちらかが当てはまらないならスポット便の使い分けを検討する価値があります。
2つの質問で判断できる選び方
配送サービスを選ぶ際、複雑な計算や専門知識は必要ありません。配送頻度と配送先という2つの質問に答えるだけで、定期便とスポット便のどちらが適しているか判断できます。
現場の実態に基づいて選べる方法があれば、物流担当者の負担は大きく軽減されます。フローチャートを使って視覚的に理解できる判断方法をご紹介します。
配送は月に何回発生するか
月に何回配送が発生するかという頻度の確認が、最初の判断ポイントです。週1回なら月4回、週2回なら月8回といった具体的な回数で考えてください。
月2回以上発生するなら定期便、月1回以下なら場合によってスポット便という目安があります。配送頻度が高いほど、継続契約による単価削減効果が大きくなるためです。
現状の配送記録を3ヶ月分確認すれば、実際の頻度が見えてきます。不定期に見えても、月平均で2回以上あれば定期便の検討価値があるでしょう。
配送先は毎回同じか変わるか
配送先が固定されているか、毎回変わるかを確認します。毎週同じ3社に配送しているなら配送先は固定、毎回違う展示会場なら配送先は変動という考え方です。
配送先が比較的固定されているなら定期便が効率的になります。担当ドライバーが配送先の特性を理解し、荷受け担当者との関係性も構築できるためです。
逆に配送先が毎回変わる場合は、スポット便の柔軟性が活きてきます。ただし配送先が3〜5社の範囲で変動するなら、定期ルート配送で対応できる可能性があります。
フローチャートで自社に合う配送方法を見つける
2つの質問の答えを組み合わせると、判断が明確になります。配送頻度が高く配送先が固定なら定期便、頻度が低く配送先が変動するならスポット便という判定です。
配送頻度が高いものの配送先が変動する場合は、定期チャーター便(定期契約でチャーター車両を確保し、状況に応じてルート設定するサービス)が適しています。国道6号と16号交差点から半径26km圏内であれば、エリア特化の定期ルート配送で効率化できるでしょう。
5項目のチェックで自社の状況を診断する
定期便とスポット便のどちらが適しているかを判断するには、自社の配送状況を客観的に把握することが必要です。配送頻度、配送先、荷物の量、エリア、コストという5つの項目を確認することで、現状を数値化できます。
チェックリスト形式で点数化し、結果に応じた判定ができる自己診断の方法をご紹介します。
配送の頻度を確認する
現在の配送が週に何回、月に何回発生しているかを具体的に数えてください。週1回であれば年間約50回、週2回なら年間約100回という規模になります。
年間ベースで考えると、配送の規模感が把握しやすくなります。頻度が高いほど定期便のメリットが大きくなる点を念頭に置いて確認しましょう。
配送先の数と変動を把握する
配送先が何社あるか、その顔ぶれが毎回同じか変わるかを確認します。固定の3社に毎週配送しているのか、毎回違う場所に配送しているのかで最適な方法は変わります。
配送先が安定していれば、定期便で効率的なルートを組むことができます。一方、配送先が頻繁に変動する場合は、柔軟性の高いサービスが必要になります。
荷物の量を確認する
1回あたりの荷物の量がダンボール何箱分か、軽貨物車で何台分かを把握してください。量が多く毎回ほぼ同じであれば、定期便で車両を確保しておく方が安心です。
量が少なく変動が大きい場合は、スポット便で調整する選択肢もあります。荷物量の安定性は、配送方法を選ぶ上で重要な判断材料になります。
配送エリアを把握する
配送先が柏市周辺なのか、茂原市や匝瑳市など広域にわたるのかを確認します。エリアが固定されていれば、効率的なルートを組むことが可能です。
広域で毎回違う場所への配送なら、柔軟性が求められます。配送エリアの特性が、サービスの選択に大きく影響することを理解しておきましょう。
コスト感を整理する
現在の配送に月間いくらかかっているか、人件費や車両維持費を含めた実質コストを把握してください。月30万円の配送コストなら、年間360万円という規模になります。
現状のコストを年間ベースで考えることで、定期便に切り替えた際の削減効果がイメージしやすくなります。実質的な配送コストを正確に把握することが、適切な判断につながります。
チェック結果から最適な配送方法を判断する
5項目のチェック結果を点数化し、合計点に応じて定期便とスポット便のどちらが適しているかを判定できます。頻度が高い、配送先が固定、荷物量が安定、エリアが限定的、コストが高いと感じる項目が3つ以上当てはまれば、定期便への切り替えで大きな改善が見込めます。
逆に、頻度が低い、配送先が毎回変わる、荷物量が不安定な項目が多い場合は、スポット便を使い分ける方が効率的でしょう。
次のアクションとして、さらに詳しい情報を知りたい方は、616独自の定期チャーター便や定期ルート配送について確認できます。自社の状況を具体的に相談したい方は、616の配送診断をご利用ください。現状の配送体制を一緒に見直し、最適な改善策を提案いたします。
次の判定表で、チェック結果から自社に適した配送方法を確認してください。
大きな改善が見込めます
効率的です
定期便で年間100万円削減した事例と次のステップ
実際に定期便を活用することで、年間100万円規模のコスト削減を実現した企業があります。野田市から茂原市、匝瑳市への広域ルート配送を見直した建材卸売業の事例です。成果の概要を簡潔にご紹介するとともに、616独自の定期配送サービスについても触れていきます。
野田市から茂原市・匝瑳市への配送事例
週1回の定期配送を、自社の営業車から定期便に切り替えた建材卸売業の事例を見ていきましょう。野田市から茂原市、匝瑳市という広域ルートでの配送でした。
人件費や車両維持費を含めた実質的なコストを見直し、定期契約と配送ルートの最適化を組み合わせた結果、年間100万円規模の削減を実現しました。この広域ルートでも、柏ロジ圏の地域特性を活かした効率的な配送が可能になっています。
616独自の定期配送サービスの特徴
616では、定期チャーター便と定期ルート配送という2つのサービスを提供しています。いずれも定期契約を前提としたサービスです。
一般的な固定ルート配送と異なり、配送先や順序を状況に応じて最適化できる柔軟性があります。継続的な関係の中で、担当ドライバーが固定されるため品質も安定します。それぞれのサービスは、お客様の配送ニーズに合わせて選択いただけます。
| 比較項目 | 定期チャーター便 | 定期ルート配送 |
|---|---|---|
| サービス概要 | 車両を貸し切りで専属利用 | 複数の配送先を効率的に巡回 |
| 車両の使い方 | 1社専用で貸し切り | 決められたルートで運行 |
| ルートの自由度 | 高い(都度調整可能) | 中程度(ルート内で最適化) |
| 向いているケース | 配送量が多い・時間厳守 | 定期的な少量配送 |
| ドライバー | 専属ドライバー固定 | 担当ドライバー固定 |
| 共通の特徴 | 品質安定・継続的な信頼関係 | 品質安定・継続的な信頼関係 |
さらに詳しく知りたい方への案内
この記事で定期便による改善の概要を理解できたら、次のステップとして2つの選択肢をご用意しています。
さらに詳しい情報を知りたい方は、定期便配送の詳細やサービス内容を確認できるページをご覧ください。自社の状況を具体的に相談したい方は、616の配送診断をご利用ください。現状の配送体制を一緒に見直し、最適な改善策を提案いたします。
まとめ
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。定期便とスポット便の違いを理解し、自社に適した配送サービスを選ぶための判断基準をお伝えしてきました。最後に、この記事で特に押さえていただきたい重要なポイントを3つにまとめます。
- 定期便とスポット便の違いは「契約形態」「料金体系」「使い方」の3つの軸で整理でき、月2回以上の配送があるかどうかが選択の分かれ目となる
- 配送頻度と配送先が固定されているかという2つの質問に答えるだけで、フローチャートを使って自社に最適なサービスを5分で判断できる
- 5項目のチェックリストで現状を診断することで、定期便への切り替えによる年間100万円規模のコスト削減の可能性を見出せる
配送サービスの選択は、一見複雑に思えるかもしれませんが、実は自社の配送パターンをシンプルに整理するだけで最適な答えが見つかります。この記事でご紹介したフローチャートやチェックリストを活用し、現在の配送体制を見直してみてください。さらに詳しい情報が必要な方は、定期便の導入事例や具体的なサービス内容を解説した記事もご用意しています。自社の状況に合わせた配送体制の改善により、本業に集中できる環境を整えていきましょう。