毎週決まった曜日に社員が2トントラックで配送に出る。本来の営業業務や在庫管理が滞り、急な欠員が出ると経営者自らがハンドルを握ることもある――。こうした状況に、多くの中小企業が直面しています。
配送業務の外部委託を検討しても、大手運送会社の見積もりは現状の2倍以上。品質面での不安から、なかなか決断できずにいる企業も少なくありません。
定期配送の導入には明確なステップがあり、それに沿って進めれば失敗のリスクを大きく減らせます。自社の配送業務を数値で整理し、適性を判断する。信頼できるパートナーを選び、段階的に切り替え、運用後も改善を続ける――このプロセスを踏むことで、年間100万円以上のコスト削減と、社員が本来業務に集中できる環境が実現できるのです。
本記事では、柏ロジ圏(国道6号と16号交差点から半径26km)で定期配送を専門とする616の知見をもとに、中小企業が迷わず定期配送を導入できる5つのステップを具体的にご紹介します。
【ステップ1】自社の配送業務を数値で整理する
定期配送の導入を検討する第一歩は、現状の配送業務を客観的に把握すること。「毎週の配送が大変」という感覚だけでは、改善の糸口は見えてきません。
数字で可視化すれば、どこに無駄があるのか、何にコストがかかっているのかが明確になります。配送頻度、エリア、荷物の特性、そして年間コスト――これらを整理することで、定期配送導入の判断基準が生まれ、導入後の効果測定も可能になるのです。
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毎週の配送にかかる時間と人件費を計算する
配送担当者が実際に何時間を配送に費やしているのか、正確に把握できている企業は意外と少ないもの。移動時間、積み込み時間、配送先での待機時間、そして事務処理の時間――電卓とメモ帳があれば、誰でも簡単に計算できます。
まず1週間の配送に関わる時間を記録し、担当者の時給を掛け合わせてください。さらに、その時間を本来業務に充てた場合の機会損失も含めて考えることが大切です。
多くの企業では、人件費を除外してコスト計算をしがちですが、社員の時間こそが最も貴重な経営資源。数値化すれば、外部委託の判断材料が明確になります。
配送エリアと件数を地図上で可視化する
配送先をGoogleマップなどにピン留めしてみると、移動距離や非効率なルートが一目で分かります。柏市内で完結しているのか、野田市から松戸市まで広がっているのか。
地図で見ることで、「なぜ毎週こんなに時間がかかるのか」という疑問の答えが見えてきます。配送先の所在地と件数を整理すると、特定のエリアに集中していたり、逆に広範囲に点在していたりすることに気づくケースが多いんです。
この可視化により、定期配送に適しているかどうかの判断材料にもなります。柏ロジ圏内であれば、国道6号と16号を活用した効率的なルート設計が可能です。
荷物の特性と配送頻度を整理する
荷物の大きさ、重さ、壊れやすさ、温度管理の必要性など、特性を一覧にしてみましょう。配送頻度は毎週なのか、月2回なのか、季節によって変動するのか。
これらを整理すると、「毎週同じような荷物を同じエリアに運んでいる」というパターンが見えてくることが多いんです。段ボール何箱分か、重量はどの程度かを記録すれば、必要な車両サイズも明確になります。
定期配送サービスを利用する際には、こうした情報が見積もりの精度を高め、最適な配送プランの提案につながります。
年間の配送コストを項目別に洗い出す
ガソリン代、高速道路代、駐車場代、人件費、車両のリース代、保険料、車検代――配送に関わる全ての費用を項目別に書き出してみてください。
月単位で見ると小さく感じる費用も、年間で計算すると意外と大きな金額になっていることに多くの企業が驚かれます。例えば、週1回の配送で月2万円のガソリン代でも、年間では24万円。
これに人件費や車両維持費を加えると、配送規模によっては年間100万円以上になるケースも珍しくありません。項目別に整理すれば、どこにコスト削減の余地があるのかが見えてきます。
【ステップ2】定期配送の導入に適しているか判断する
ステップ1で整理した数値をもとに、定期配送が自社に本当に適しているかを判断する段階です。定期配送は万能ではなく、向いている配送パターンと向いていないパターンが明確に存在します。
この章では、配送ルートの安定性、荷物の特性、配送先との関係性、コスト比較という4つの視点から判断する方法をご紹介します。
固定ルートと配送頻度の安定性を確認する
定期配送に最も適しているのは、配送先や配送エリアに一定のパターンがある場合。毎週火曜日は野田市と柏市、金曜日は松戸市を回るといった規則性があれば、相性は良いと言えます。
一方で、毎回まったく異なる場所へ運ぶ場合は、スポット便の方が適している可能性があります。配送業務が社員の労働時間の相当部分を占めているなら、外部委託を検討すべきタイミング。一般的な目安として、労働時間の2割以上が配送に充てられている状況であれば、本業への影響も考慮して検討を始めることをおすすめします。
荷物の種類とサイズが軽貨物で対応できるか見極める
軽貨物車両で運べる荷物には限界があります。一般的なMサイズ(40cm×30cm×30cm程度)の段ボール箱で20〜30箱程度、重量は350kg以内が法定の上限です。書類やサンプル品、小型部品、食品などであれば問題なく対応できます。
しかし、大型家具や重量物は軽貨物では難しい場合も。荷物のサイズや形状に不安がある場合は、実際の荷物を配送パートナーに確認してもらうことをおすすめします。
配送先との関係性と納品条件を整理する
配送先が固定されていて、融通が利く関係性があれば、定期配送の導入はスムーズに進みます。担当者と顔の見える関係が築けていれば、配送時間の調整や急な変更にも対応できます。
一方で、時間指定が非常に厳しい配送先や、配送先が頻繁に変わる場合は注意が必要。納品時の手順、時間指定の柔軟性、緊急時の連絡体制なども確認しておくことが重要です。
スポット便と定期配送のコスト比較を行う
定期配送の導入判断で最も重要なのが、コスト比較です。現状のスポット便での配送コストと、定期契約した場合のコストを並べて比較することで、明確な判断基準が得られます。
一般的に、月に4回以上の定期的な配送がある場合、定期契約のコストメリットが期待できます。ただし、コスト削減だけでなく、社員が配送業務から解放される時間の価値も考慮すべきです。
【ステップ3】信頼できる配送パートナーを選ぶ
定期配送が自社に適していると判断できたら、次は配送パートナー選びです。料金の安さだけで決めてしまうと、後から品質面でのトラブルや対応の悪さに悩まされることがあります。
価格、品質、対応力を総合的に判断することが大切。全国対応の大手だけでなく、特定エリアに特化した地域密着型という選択肢も視野に入れながら、長く付き合えるパートナーを見極めていきましょう。
料金体系の透明性と総額を確認する方法
見積もりを取る際には、基本料金だけでなく全体像を把握することが大切です。距離制か時間制か、燃料費の変動はどう扱われるか、追加料金が発生する条件は何かを明確に確認しましょう。
配送先の変更や荷物量の増加など、想定される状況での料金を事前に聞いておけば、後から予想外の請求に困ることがありません。契約前に全ての費用項目を書面で確認することをおすすめします。
担当ドライバー固定と品質保証の仕組みを見極める
毎回同じドライバーが担当することで、配送先との信頼関係が築けます。受け取る側も顔見知りのドライバーが来ることで安心感が生まれ、細かい要望も伝えやすくなるでしょう。
荷物の扱いにも慣れてもらえるため、配送品質が安定します。例えば、地域密着型の配送会社では担当ドライバーを固定し、配送先ごとの特性を理解した上でサービスを提供しているケースが多く見られます。
急な変更や欠員時の対応体制を確認する
担当ドライバーが休んだときや、急に配送内容が変わったときの対応方法を事前に聞いておく必要があります。代替ドライバーの手配時間や品質維持の仕組みは重要な判断材料です。
配送量の変動や配送先の追加があった場合の柔軟性も確認しましょう。信頼できる配送会社であれば、代替ドライバーの手配体制を整えており、急なトラブル時にも迅速に対応してくれます。
地域密着型と全国対応型の違いを理解する
全国展開の大手物流会社と、特定エリアに特化した地域密着型では、それぞれ異なる強みがあります。大手は広域配送が得意ですが、地域密着型は限られたエリアを深く理解した細やかな対応が可能です。
自社の配送エリアが限られているなら、地域を深く知っている業者が効果的な場合があります。例えば、特定エリアに特化することで地域の道路事情や配送先の特性を熟知し、効率的なサービスを提供する配送会社も存在します。
| 比較項目 | 全国対応型 | 地域密着型 |
|---|---|---|
| 対応エリア | 全国各地に対応可能 | 特定エリアに特化 |
| 柔軟性 | 標準化されたサービス体制 | 個別要望に柔軟対応 |
| 地域理解度 | 広く浅い対応 | 道路事情・配送先特性を熟知 |
| コスト | 規模のメリットで安価な場合も | エリア内は効率的で競争力あり |
| スピード | 広域ネットワークで安定配送 | 地域内は迅速対応が可能 |
| 向いている企業 | 全国に配送先がある企業 | 特定エリアに配送が集中する企業 |
【ステップ4】既存の配送から定期配送へ切り替える
信頼できるパートナーが決まったら、いよいよ実際の切り替えプロセスに入ります。しかし、ここで焦りは禁物。いきなり全面移行してトラブルが起きれば、取引先からの信頼を失うリスクがあります。
段階的に進めることで、品質を確認しながら安全に移行できます。事前にトラブルを想定し、対応策を準備しておくことも重要です。
616が定義する柏ロジ圏(国道6号と16号交差点から半径26km圏内)のように、地域特性を活かした配送設計を行う事業者を選ぶことも大切なポイントになります。
並行運用期間を設計して安全に移行する
最初の1〜2ヶ月程度は、従来の配送体制と新しい定期配送を併用する並行運用期間を設けましょう。この期間中は、既存の社員配送は維持したまま、定期配送パートナーにも同じルートの一部を任せます。
配送時間の正確性、荷物の取り扱い、配送先からの反応などを記録し、問題点を洗い出します。万が一トラブルが発生しても、既存体制でカバーできるため、取引先に迷惑をかけません。
配送先や社内関係者への説明方法を準備する
配送先には、切り替えの2週間程度前には「今後は専任のドライバーが伺います」と伝えておきましょう。急な変更は混乱を招くため、担当者の名前や連絡先、配送時間の変更有無などを明記した案内文を用意すると丁寧です。
社内でも、配送担当が外部パートナーに変わることを共有します。受注部門や営業担当が配送状況を把握できるよう、連絡フローを整備しておくことが大切です。
トライアル期間で品質と相性を見極める
本格導入前の1〜3ヶ月程度を、お試し期間として位置づけましょう。配送品質はもちろん、ドライバーとのコミュニケーションの取りやすさ、急な変更への対応力など、実際に運用してみないと分からない部分を確認します。
地域に特化した配送事業者なら、道路事情を熟知しているため、効率的なルート設計が可能。トライアル期間中に相性や品質に不安があれば、遠慮なく改善を求めるか、見直しの選択肢も残しておきましょう。
想定されるトラブルと対応策を事前に整理する
配送ミスや遅延、ドライバーの急病など、起こりうるトラブルをリストアップしておきましょう。それぞれに対する連絡先や対応フローを決めておくことで、いざという時に慌てずに済みます。
信頼できる配送パートナーなら、ドライバーの急病などの緊急時にも迅速に代替ドライバーを手配する体制を整えています。このような緊急時対応の仕組みがあるかどうかは、定期配送パートナー選びの重要な判断基準です。
【ステップ5】運用開始後も継続的に改善する
定期配送の真価は、導入後の継続的な改善にあります。配送パートナーと一緒に業務を最適化し続けることで、さらなるコスト削減や品質向上が実現できるんです。
ここでは、運用開始後も成果を高め続けるための具体的な方法をご紹介します。
サイクル PDCA
配送実績を定期的に確認する項目と頻度
一般的に、配送業務の実績確認は月に1度のペースで行うことが推奨されています。
具体的には、配送時刻の遅延件数、荷物の破損やトラブルの発生状況、配送先からのフィードバックなどを数値で確認します。616では、こうした実績を月次レポートとしてまとめて提供しているため、改善点を明確に把握しやすくなります。
コスト削減効果を3ヶ月ごとに検証する
導入前後でコストがどれくらい下がったか、3ヶ月単位で確認することが重要です。
人件費削減、車両維持費の減少、業務効率向上による売上機会の増加など、多角的に測定しましょう。定期配送を活用することで、企業規模や配送条件によっては年間で大幅なコスト削減を実現できる可能性があります。
ドライバーからの業務改善提案を活かす方法
物流業界では、現場を回っているドライバーからのフィードバックが業務改善の重要な情報源とされています。
「この配送先は午前中の方が受け取りやすい」「荷物の梱包を変えれば積載効率が上がる」といった現場目線の情報は、配送効率化に直結します。616では、こうした現場の声を定期的なミーティングで共有し、配送ルートの最適化につなげる取り組みを行っています。
配送先の増減や条件変更に柔軟に対応する
事業の成長に合わせて、配送内容も変化します。
取引先が増えた、新エリアに顧客ができた、配送曜日を変更したい――定期配送サービスを選ぶ際は、こうした変化に柔軟に対応できることが重要なポイントになります。616の定期ルート配送では、対応エリア内であれば配送先の増減に対応し、荷主企業様の成長を支援しています。
長期的な信頼関係のもと、改善を続けることで大きなメリットが得られます。
まとめ
ここまで定期配送の導入方法を5つのステップに分けてご紹介してきました。最後までお読みいただき、ありがとうございます。配送業務の負担を減らしたいと考えながらも、どこから手をつければ良いか分からず悩んでいた方々に、具体的な道筋をお示しできたのではないでしょうか。この記事で解説した重要なポイントを改めて確認しておきましょう。
- 配送業務の現状を数値で可視化し、配送頻度やエリア、荷物特性、年間コストを整理することで、定期配送の適性を客観的に判断できる
- 料金の安さだけでなく品質や対応力を総合的に評価し、地域密着型という選択肢も視野に入れながら信頼できるパートナーを選び、段階的な移行で安全に切り替えを進める
- 定期配送は導入して終わりではなく、配送実績の定期確認とコスト効果の検証、ドライバーからの改善提案を活かしながら継続的に最適化することで真の価値が生まれる
定期配送の導入は、コスト削減だけでなく、社員が本来業務に集中できる環境づくりにもつながります。配送業務の負担から解放された時間を、営業活動や顧客対応、新規事業の検討に充てることができるのです。まずは自社の配送業務を数値で整理することから始めてみてください。現状が明確になれば、次に取るべきアクションも自ずと見えてくるはずです。