毎週の部品納入や製品出荷、社員が業務の合間に対応しているものの、残業時間が増えて本来の仕事に支障が出ていませんか。配送業務を外部委託しようと大手運送会社に見積もりを依頼したところ、想定以上の金額に驚いた経営者の方も多いはずです。
配送コストが高くなる主な原因は、元請けから一次請け、二次請けと層が増えることで発生する中間マージンにあります。配送を直接契約の定期便に切り替えることで、年間100万円以上のコスト削減を実現した製造業の事例も少なくありません。
この記事では、製造業が抱える配送課題の実態から、二次請け構造によるコスト増加の仕組み、定期配送による具体的な改善方法、そして柏ロジ圏での最適化事例までをご紹介します。配送コストを見直すことで、経営の健全化と本業への集中が可能になります。
製造業が抱える配送の3つの課題
製造業における配送業務は、多くの企業で経営課題として認識されながらも、具体的な改善策が見出せないまま現状維持されているケースが目立ちます。社内配送による本業への影響、二次請け構造によるコスト増加、2024年問題による配送環境の変化という3つの視点から、現場で実際に起きている課題を明らかにします。
社内配送による本業への影響と人手不足の実態
総務担当者や製造スタッフが配送を兼務すると、発注業務や生産管理といった本来の業務に割く時間が不足します。配送業務に時間を取られると、月間で数十時間もの人件費が本来の業務から配送へと移ってしまう計算です。
さらに厄介なのが、急な欠員が生じた際の対応。配送担当者が休暇や体調不良で不在になると、代わりを務められる社員が限られているため、他の業務に支障をきたします。
配送品質のバラつきも見落とせません。担当者によって荷物の扱い方や配送時間が異なり、取引先からの信頼低下につながるリスクがあります。
二次請け構造が生み出す見えないコスト
大手運送会社に依頼した場合、実際の配送は下請け業者が担当するケースが多く、元請けと下請けの間で中間マージンが発生します。物流業界では3〜4層にも及ぶ受託構造が珍しくなく、それぞれの層で管理費や仲介手数料が上乗せされるため、配送コストが割高になります。
運送会社 管理費 約15%
業者 仲介料 約10%
業者 受取 約76.5万円
2025年5月には、中間事業者による仲介手数料を抑えるため、再委託する回数を2回以内にすることが努力義務として定められました。また、実際の配送担当者と直接やり取りできないため、配送ルートの最適化や時間調整といった改善提案が難しい実態があります。
2024年問題による配送料金の値上げと輸送能力不足
ドライバーの労働時間規制により長距離輸送が難しくなり、配送料金の値上げや契約見直しが発生しています。2024年4月から時間外労働が年間960時間に制限され、ドライバー一人が対応できる配送量が制限されています。これまで引き受けていた配送を断られるケースも増えています。
2024年6月には標準的な運賃が約8%値上げされ、東京−大阪間の混載トラック運賃も6月から12月にかけて3%上昇しました。何も対策を行わなかった場合、2030年には34.1%の輸送力不足が予想されており、製造業の経営を圧迫する要因となっています。
配送コストが高くなる仕組みと実際の影響
配送コストが想定以上に高額になる背景には、見えにくい構造が存在します。社内配送では人件費や車両維持費に加え、配送ミスによる損失も積み重なります。二次請けでは層が増えるごとに中間マージンが発生し、同じ配送内容でも直接契約の1.5倍から2倍の料金になるケースがあります。
スポット便依存も割高な要因です。ここでは3つの要因を具体的に解説し、自社のコストと照らし合わせながら改善の余地を見つけていきます。
支払額: 月額24万円(100%)
受取: 約20.4万円(85%)
受取: 約17.3万円(72%)
受取: 約15万円(約60%)
支払額: 月額16万円
受取: 16万円(100%)
| 比較項目 | スポット便 | 定期契約(週2回) |
|---|---|---|
| 1回あたり単価 | 15,000円 | 10,000円 |
| 月間コスト(8回) | 120,000円 | 80,000円 |
| 年間コスト | 1,440,000円 | 960,000円 |
| 年間削減額 | – | 480,000円お得 |
社内配送で発生する本当のコスト
社員が配送を兼務する場合、給与として支払う人件費だけでなく、車両維持費、燃料費、保険料が継続的に発生します。配送担当者が週3回、往復4時間を費やせば、月間で約50時間もの人件費が配送に消えていく計算です。
配送ミスによる再配送コストや取引先の信頼低下といったリスクも見落とせません。車両の減価償却費や任意保険料を含めると、月額10万円の人件費が実質15万円以上になることも珍しくありません。
二次請けによる中間マージンの実態
元請け運送会社に依頼した配送が、一次請け業者、さらに二次請け業者へと再委託される構造では、層が増えるごとに15から20%の中間マージンが発生します。荷主企業が支払う金額の60%程度しか、実際に配送を担当する業者には届きません。
柏市から流山市への週3回の配送を大手に依頼すると、月額24万円の見積もりが提示されます。内訳を見ると実際の配送費用は15万円で、残り9万円は中間マージン。直接契約に切り替えることで、月額16万円、年間96万円の削減が実現した事例もあります。
スポット便依存が招く割高な配送料金
必要な時だけ依頼するスポット便は、1回あたりの単価が高く設定されています。柏市から野田市への配送では、スポット便で1回15,000円かかるところ、週2回の定期契約なら1回あたり10,000円に下がります。
月間では8回の配送で4万円の削減、年間では48万円のコスト削減が可能です。配送頻度が安定している場合、定期契約に切り替えることで料金の適正化が実現します。
| 比較項目 | スポット便 | 定期契約(週2回) |
|---|---|---|
| 1回あたり単価 | 15,000円 | 10,000円 |
| 月間コスト(8回) | 120,000円 | 80,000円 |
| 年間コスト | 1,440,000円 | 960,000円 |
| 年間削減額 | -480,000円 | |
- 担当ドライバー固定 荷物の特性を熟知した担当者が対応
- 配送品質の安定 破損・遅延リスクを大幅に低減
- 配送ミス減少 ルート・納品先を把握し誤配を防止
担当ドライバーが固定されることで、配送品質も安定し、破損や遅延のリスクが大幅に減少します。
定期配送による具体的な改善方法
定期配送に切り替えることで、製造業が抱える配送課題を3つの視点から改善できます。コスト削減、品質の安定化、柔軟な対応という3つの価値は、スポット便では得られない定期契約ならではのメリットです。
配送頻度の見直しによる経費削減、担当ドライバー固定による業務効率化、そして変化に対応できる配送体制について、柏ロジ圏(当社が定義する国道6号と16号交差点周辺エリア)での改善アプローチを説明します。
配送頻度の見直しで実現するコスト削減
配送回数を最適化することで、配送コストの削減が可能になります。週2回の配送を週1回にまとめる、毎日配送を隔日配送にするといった調整により、効率的な運行が実現します。
定期契約では配送ルートや時間帯が固定されるため、スポット便と比較して運送会社側も効率的な運行計画を立てられます。この効率化が料金に反映され、荷主企業様の配送コスト削減につながります。
配送頻度を減らしても、1回あたりの積載量を増やすことで納期への影響を抑えられます。燃料費や人件費といった変動コストも抑制でき、経営負担の軽減が期待できます。
担当ドライバー固定による配送品質の安定化
毎回同じドライバーが配送を担当することで、配送品質が大きく向上します。配送先の特徴や荷物の取り扱い方を理解したドライバーが対応するため、破損や遅延といったトラブルが減少します。
顔の見える関係性が生まれることで、ちょっとした相談もしやすくなります。納品場所の変更や時間調整といった細かな要望にも、スムーズに対応できる信頼関係が構築されます。
定期配送では、ドライバーが配送先の業務フローを理解し、最適なタイミングで荷物を届けられます。継続的な関係の中で生まれる安心感は、スポット便では得られない価値です。
柔軟な対応と効率化を両立する配送体制
定期契約でありながら、急な配送先追加や時間変更にも対応できる体制を整えています。固定ルート配送のような硬直性がなく、エリア内であれば状況に応じて最適化できる柔軟性を持っています。
取引先の増減や納期変更といった変化に、定期契約の枠組みの中で対応します。エリア内での配送先追加なら、既存のルートに組み込むことで効率を維持しながら柔軟に対応できます。
配送内容の変更にも迅速に対応できる体制が、定期配送の強みです。事前にご連絡いただければ、配送先や時間の調整が可能です。
柏ロジ圏での配送最適化事例と選定基準
柏ロジ圏(国道6号と16号の交差点から半径26km圏内)という地域特性を活かした配送最適化により、年間100万円を超えるコスト削減を実現した事例が増えています。地域を深く理解した配送業者との定期契約は、単なる配送委託ではなく業務改善パートナーとしての関係を築くことができます。
実際の配送ルート改善による具体的な削減効果と、配送業者選定で失敗しないための判断基準をご紹介します。
野田から茂原・匝瑳への配送で年間60万円削減した事例
週2回の定期配送を二次請けから直接契約に切り替えたことで、月額18万円から月額13万円に削減し、年間60万円のコストダウンを実現した製造業の事例があります。
野田市から茂原市、匝瑳市への配送では、1台のトラックで効率的に巡回することで走行距離を25%短縮し、燃料費も月額2万円削減できました。担当ドライバーが固定されたことで、配送品質も安定しています。
柏から松戸・流山への毎日配送で走行距離30%短縮した改善例
毎日配送のルートを最適化することで、走行距離を30%短縮し、燃料費を月額3万円削減した事例があります。柏市から松戸市、流山市への配送では、配送順序を見直すだけで大幅な効率化が実現しました。
地域を熟知したドライバーが渋滞を避けた効率的なルートを選択できることが大きな利点です。配送時間の安定化により、取引先からの信頼も向上しています。
配送業者を選ぶ際に確認すべき3つのポイント
配送業者選定の基準は3つあります。第一に、定期配送に特化しているか。スポット便中心の業者では、定期配送のノウハウや料金メリットを十分に享受できません。
第二に、柏ロジ圏という地域を深く理解しているか。地域の道路事情や配送先の特性を熟知した業者なら、効率的な対応が期待できます。
第三に、配送内容の変更に柔軟に対応できるか。料金の安さだけでなく、業務改善パートナーとして長く付き合える業者を選びましょう。
まとめ
最後までお読みいただき、ありがとうございます。製造業における配送コストの削減は、経営の健全化と本業への集中を実現する重要な取り組みです。この記事でご紹介した配送最適化のポイントを、改めて3つにまとめてお伝えします。
- 二次請け構造では層が増えるごとに15〜20%の中間マージンが発生し、同じ配送内容でも直接契約の1.5〜2倍のコストになる
- 定期配送への切り替えにより年間100万円以上のコスト削減が可能で、スポット便依存から脱却することで大幅な経費削減を実現できる
- 担当ドライバーを固定することで配送品質が安定し、破損や遅延のリスクが減少するとともに、顔の見える信頼関係が業務効率化につながる
配送コストの削減は、単なる経費削減にとどまりません。社員が本来の業務に集中できる環境を整え、取引先との信頼関係を強化し、企業の成長基盤を作る投資です。まずは現在の配送状況を見直し、二次請け構造や社内配送による隠れたコストがないか確認することから始めてみてください。地域を深く理解した配送パートナーとの定期契約が、皆様の経営課題解決の一助となれば幸いです。