毎週の定期配送、社員が対応しているが本業に支障が出ている――。配送コストは月25万円を超え、そのうち人件費だけで15万円。こうした状況に直面している企業は少なくありません。
BtoB配送では、単なる料金比較だけでは見えない落とし穴があるのです。二次請けの構造によるコスト増、配送品質のばらつき、急な欠員時の対応など、スポット便中心の発想では解決できない課題が存在します。
本記事では、定期配送に特化した配送業者の選び方を、具体的な数字とともに解説します。適切な配送パートナーを選べば、年間100万円のコスト削減と業務効率化が実現できるのです。
BtoB配送で直面する3つの課題
毎週決まった取引先への配送を社員が担当している。その結果、本来の営業活動に支障が出ている企業は少なくありません。実際、ある中小企業では配送に月々の大きなコストがかかっていました。
多くの企業が抱える配送の悩みとして、コスト・品質・人手不足の3つが挙げられます。ここでは、これらの課題がなぜ発生するのか、その背景にある構造的な問題を具体的に解説します。
配送コストが高くなる理由
大手運送会社に配送を依頼すると、実際の配送は二次請け業者が担当するケースが多くなります。この構造により中間マージンが発生し、本来必要な配送費用に上乗せされた料金を支払うことに。
月間の配送件数が増えるほど、この差は大きくなっていきます。年間で見ると数十万円規模のコスト増につながるケースもあり、経営への影響は無視できません。見積もりを取った際に「なぜこんなに高いのか」と感じる背景には、こうした二次請け構造が存在しているのです。
配送品質が安定しない原因
スポット便では毎回異なるドライバーが担当するため、納品ルールの理解度にばらつきが生じます。「指定時間に遅れる」「納品場所を間違える」「荷物の扱いが雑」――こうしたトラブルが発生しやすいのです。
BtoB取引では、配送品質が企業の評価に直結します。取引先との信頼関係に影響が出ると、商談や継続取引にも支障をきたす可能性があるでしょう。担当ドライバーが固定されていない配送体制では、品質の安定化が難しいという構造的な問題があります。
人手不足による業務への影響
社内で配送を担当している場合、配送業務に時間を取られて本来の業務が進みません。営業担当者が配送に数時間費やすことで、新規開拓や既存顧客へのフォローが後回しに。
急な欠員が生じた際の代替要員確保も大きな負担です。外部委託している場合でも、業者との調整や配送状況の確認に多くの時間を費やすことに。配送業務に時間と労力を取られることで、事業成長の機会を逃してしまうケースも見られます。
配送業者の種類と特性を理解する
配送業者を選ぶ前に、それぞれのサービス形態がどのような特徴を持ち、自社のニーズにどう適しているかを理解することが重要です。単なる料金比較だけでは見えない落とし穴があります。配送品質や柔軟性、長期的なコスト効率まで考慮する必要があるのです。
ここでは、大手運送会社、地域密着型配送業者、そして各種配送サービスの違いを詳しく解説します。自社の配送課題に最適な選択肢を見つけるための判断材料を提供します。
| 大手運送 会社 |
地域 密着型 |
スポット便 | 定期配送 | チャーター便 | 固定ルート 配送 |
|
|---|---|---|---|---|---|---|
| コスト | ||||||
| 品質安定性 | ||||||
| 柔軟性 | ||||||
| 対応エリア | 全国 | 地域限定 | 依頼次第 | 契約次第 | 依頼次第 | ルート内 |
大手運送会社の特徴と二次請けの問題
大手運送会社は全国規模のネットワークを持ち、広域配送に対応できる強みがあります。知名度が高く、システム化された配送管理が整備されているため、一見すると安心感があるでしょう。
しかし、地域配送においては、実際の配送業務を協力会社に再委託する「二次請け」の構造が存在するのです。大手が受注した案件を地域の配送業者に外注するため、中間マージンが発生し、実質的な配送コストが高くなる傾向があります。実際に配送を担当するドライバーとの直接的な関係構築が難しく、細かな要望や納品ルールの徹底に課題が生じることも。
全国展開している企業や、複数の拠点間での輸送が必要な場合には大手運送会社が適しています。ただし、特定地域内での定期配送においては、コストパフォーマンスと品質の両面で見直しの余地があるのです。
地域密着型配送業者の強み
特定のエリアに特化した配送業者は、その地域の道路事情、交通状況、取引先の特性を深く理解しています。地理的な知識があるため、効率的なルート設定が可能です。配送時間の短縮と燃料費の削減につながります。
地域密着型の業者は、荷主企業と直接契約するため、二次請けの中間マージンが発生しません。担当ドライバーが固定されることで、取引先との信頼関係が構築され、納品時の細かな要望にも柔軟に対応できるのです。急な配送先の変更や時間調整が必要な場合でも、地域内であれば迅速に対応できる体制が整っています。
国道6号と16号の交差点を中心とした半径26km圏内、いわゆる「柏ロジ圏」のような明確なテリトリーを持つ配送業者は、そのエリア内での配送品質と効率性に優れています。野田市から茂原市、匝瑳市まで広域に配送する場合でも、地域ネットワークを活用することで、大手運送会社より低コストで高品質な配送が実現できます。
スポット便と定期配送の違い
スポット便は、必要が生じた時に都度依頼する単発配送のことです。急な配送ニーズに対して即時対応が可能で、ルートも毎回自由に設定できる柔軟性があります。ただし、1回ごとの従量課金のため料金が割高に。毎回異なるドライバーが担当するため、品質にばらつきが生じやすい特徴があります。
一方、定期配送は、毎週または毎月など、決まったタイミングで継続的に配送するサービスです。定期契約により配送単価を抑えることができ、担当ドライバーが固定されるため、納品ルールや取引先の要望を理解した安定した配送が実現します。急な欠員が生じた場合でも、同じ業者内で代替ドライバーが対応するため、品質を維持したまま業務を継続できるのです。
スポット便は、年に数回程度の単発ニーズや、特定のイベント時の配送に適しています。定期配送は、毎週の取引先への納品や、継続的な物流業務がある企業に向いています。用途が異なるため、自社の配送頻度や安定性の優先度に応じて使い分けることが重要です。
チャーター便と固定ルート配送の使い分け
チャーター便は、車両とドライバーを時間単位で貸し切る配送サービスです。時間内であればルートを自由に設定でき、複数の配送先を効率的に回れます。柔軟性が高い反面、都度依頼の場合は料金が高くなるため、継続的に利用するには定期契約が前提です。
固定ルート配送は、毎回同じルート・同じ順序で巡回する配送サービス。ルートが最適化されているためコストは最も安くなりますが、配送先の追加や順序変更には対応しにくいという制約があります。配送先が完全に固定されている企業には適していますが、取引先の増減がある場合は柔軟性に欠けるでしょう。
これらとは別に、定期契約を前提としながらも状況に応じてルート設定や配送先の調整ができるサービスも存在します。継続契約によるコストメリットを享受しながら、配送先の増減や緊急対応にも柔軟に対応できる点が特徴です。地域に特化することで配送効率を高め、担当ドライバーを固定することで品質の安定を実現しています。
| 比較軸 | スポット便 | チャーター便 | 固定ルート配送 | 定期チャーター便 |
|---|---|---|---|---|
| 契約形態 | 都度依頼 | 時間単位貸切 | 継続契約 | 定期契約 |
| ルートの自由度 | 高い | 高い | 低い(固定) | 中〜高(調整可) |
| 料金体系 | 割高 | 都度は高め | 最も安価 | コストメリットあり |
| 柔軟性 | 高い | 高い | 低い | 高い |
| 品質安定性 | 低い | 中程度 | 高い | 高い(担当固定) |
- スポット便:急な配送ニーズに対応。ドライバーが毎回変わる可能性あり
- チャーター便:時間内で自由にルート設定可能。複数配送先を効率的に回れる
- 固定ルート配送:ルート最適化でコスト最安。配送先の変更は困難
- 定期チャーター便:継続契約のコストメリットと柔軟性を両立。担当ドライバー固定で品質安定
失敗しない配送業者選定の5つのステップ
配送業者選びで失敗すると、コスト増だけでなく取引先からの信頼も失いかねません。しかし、明確な手順に沿って進めれば、大幅なコスト削減と業務効率化を同時に実現できます。
ここでは、BtoB企業が配送業者を選定する際に踏むべき5つのステップを具体的に解説します。
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現状の配送コストを分析する方法
配送コストの可視化は、業者選定の出発点です。社内配送の場合、人件費・車両維持費・燃料費・保険料をすべて洗い出します。月間ベースで計算すると、見えにくいコストが明らかに。
外部委託している企業でも、配送費用だけでなく調整にかかる時間的コストを含めて算出する必要があります。例えば、配送費用だけを見ていても、実際には調整業務や配送トラブル対応に多くの人件費がかかっているケースは少なくありません。
年間ベースで計算することで、削減効果のインパクトが判断しやすくなります。現状を数値化できれば、業者提案との比較が可能になり、経営判断の精度が高まるのです。
業務課題を洗い出す具体的な手順
配送業務で困っていることを具体的にリストアップします。「指定時間に遅れる」「納品場所を間違える」「急な欠員時の対応」など、現場の声を集めることが重要です。
課題には優先順位をつけましょう。取引先の信頼に直結する「配送品質の安定」を最優先とするか、「コスト削減」を重視するかで、選ぶべき業者は変わります。
整理した課題は、業者への問い合わせ時に具体的な確認項目として活用できます。自社が何を求めているかが明確になれば、業者側も的確な提案がしやすくなるのです。
定期契約と柔軟性を両立できるか確認する
毎週・毎月の定期配送がある場合、定期契約により料金を大幅に抑えられる可能性があります。一般的に、都度依頼のスポット便と比べて、定期契約では3割程度の単価削減が期待できるでしょう。
ただし、固定ルート配送では配送先の増減に対応しにくいという制約があります。取引先が変動する企業には、ルート変更や配送先追加に柔軟に対応できるサービスが適しています。
616の定期サービスのように、継続契約でコストメリットを得ながら状況に応じて最適化できる業者を選ぶことで、長期的な使い勝手が向上します。契約形態と柔軟性の両立が可能かを必ず確認してください。
対応エリアと配送品質を検証する
自社の配送先が業者のカバーエリアに含まれているかを確認します。全国ネットワークを持つ大手は安心に見えますが、実際には二次請けの構造でコストが高くなるケースがあります。
地域に特化した業者は、その地域での配送効率が高く、コストパフォーマンスに優れています。柏ロジ圏のように国道6号と16号の交差点から半径26km圏内に特化した業者なら、野田市から茂原市、匝瑳市への広域配送でも効率的なルートを組み立てられるのです。
担当ドライバーが固定されることで、納品ルールや取引先との関係が安定します。毎回異なるドライバーが来るスポット便と比べ、品質のばらつきが減少し、トラブル発生率も低下します。
業務改善の提案力を見極める
単に「運ぶだけ」の業者か、配送ルートの最適化や業務フローの見直しまで提案できる業者かで、得られる価値は大きく異なります。現場ドライバーの視点から改善提案ができる業者は、長期的なパートナーとして信頼できるでしょう。
例えば、配送順序の変更で走行距離を大幅に削減できる提案や、納品時間の調整で取引先の業務効率を高める提案などが該当します。こうした提案力は、初回の問い合わせ時に具体的な事例を聞くことで評価できます。
業者を「運送会社」ではなく「業務改善パートナー」として選ぶ視点を持つことで、コスト削減だけでなく顧客満足度向上も実現できます。提案力の有無は、長期的な競争力に直結するのです。
定期配送で実現する年間100万円のコスト削減
毎週の定期配送を社員が対応しているが本業に支障が出ている――。こうした状況に直面している企業は少なくありません。
適切な配送業者を選び定期契約にすることで、大幅なコスト削減が可能です。ある製造業の企業では、定期配送への切り替えにより月間の配送コストを削減し、年間108万円のコスト削減を実現しました。ここでは、定期配送による具体的な削減方法と、その実現手順を解説します。
定期契約による料金メリット
継続的な取引により信頼関係が生まれ、料金面でも有利な条件が得られる仕組みがあります。スポット便は緊急性が高く不定期のため、定期契約に比べて料金が高く設定される傾向にあるのです。
例えば、月間20回の配送を定期契約に切り替えることで、年間数十万円のコスト削減につながるケースがあります。削減の要因は複数あります。まず、定期契約により配送単価が下がること。次に、配送ルートの最適化や担当ドライバーの固定により、配送品質も安定します。
定期契約では、配送先の増減にも柔軟に対応できる仕組みが重要です。固定ルート配送のように完全に縛られることなく、状況に応じて最適化できる業者を選ぶことで、長期的な使い勝手が向上します。
柏ロジ圏で効率的な配送を実現する方法
国道6号と16号が交差する柏市を中心としたエリアに特化することで、無駄な移動が減り効率が上がります。この地域は「柏ロジ圏」と呼ばれ、野田市、流山市、我孫子市、白井市、印西市など近隣エリアへの配送に適しています。
地域に特化した配送業者は、その地域での配送効率が高く、コストパフォーマンスに優れています。地理的特性を熟知したドライバーが効率的なルートを組み立てるため、大手運送会社の二次請け構造より低コストで配送が可能です。
エリア特化の配送であれば、配送先の追加や順序変更にも柔軟に対応できます。地域内での最適化により、取引先の増減があっても品質を維持したまま業務を継続できる点が強みです。
直請けと二次請けの料金構造の違い
中間業者を介さない直請けの方が、同じサービスでもコストを抑えられる理由があります。大手運送会社に依頼すると、実際の配送は二次請け業者が担当するケースが多く、中間マージンが発生するのです。
その結果、本来必要な配送費用に上乗せされた料金を支払うことに。月間の配送件数が増えるほど、この差は大きくなります。物流業界では、受託が重なるごとに中間マージンが発生し、実際に配送を担当する事業者の収益を圧迫する構造的な課題が指摘されています。
直請けの配送業者を選ぶことで、料金の透明性も高まります。どの部分にどれだけのコストがかかっているかが明確になるため、無駄な支出を見直すきっかけにも。配送業務の改善提案も受けやすくなり、長期的なパートナーとして信頼できる関係が構築できます。
配送診断から始める業務改善の流れ
いきなり契約ではなく、まずは現状分析から始められる安心感があります。配送診断では、現在の配送コストを詳細に分析し、どの部分にどれだけのコストがかかっているかを明確にするのです。
社内で配送している場合は、人件費、車両維持費、燃料費、保険料などをすべて洗い出します。外部委託している場合は、月間の配送費用だけでなく、調整にかかる人件費や配送トラブル対応の時間的コストも含めて計算します。冒頭で紹介した企業では、この分析により社員の配送業務がなくなり、本業に集中できるようになったことで売上向上にもつながりました。
この分析により、改善すべきポイントが見えてきます。定期契約の可否、エリア対応力、業務改善提案力などを総合的に検証し、自社に最適な配送パートナーを選べるのです。まずは配送診断から始めることで、年間100万円規模のコスト削減への確実な第一歩を踏み出せます。
まとめ
ここまでお読みいただきありがとうございます。BtoB配送業者の選び方について、単なる料金比較ではなく、配送品質の安定化や業務効率化まで見据えた本質的な判断軸をお伝えしてきました。多くの企業が直面している配送の課題は、適切なパートナー選びによって解決できます。最後に、この記事で特に重要な3つのポイントを改めてご紹介します。
- 定期契約により年間100万円規模のコスト削減が可能で、二次請け構造による中間マージンを避けることが鍵となる
- 地域密着型配送業者を選ぶことで担当ドライバーが固定され、配送品質の安定と取引先との信頼関係構築が実現できる
- 配送診断から始めることで現状の課題を可視化し、自社に最適な配送パートナーを確実に見極められる
配送業者は単なる「運ぶだけの存在」ではなく、業務改善を共に進めるパートナーです。適切な業者選定により、コスト削減と品質向上の両立が可能になります。まずは現状の配送コストを分析し、自社の課題を整理することから始めてみてください。配送診断を通じて具体的な改善策が見えてくれば、年間100万円規模のコスト削減への確実な第一歩を踏み出せるでしょう。